「ねぇねぇリンクくん」
「何、ナマエさん?」
「好きな食べ物ってある?」
「好きな食べ物……特に無いなぁ。何で?」
「ルピーが大分貯まったから、おうちに帰って来た時にリンクくんが好きなもの食べさせてあげたいなぁって。色々助けてくれるリンクくんにお礼をしたいなって思ったんだけど、何がいいかなぁって」
「そうだなぁ。俺、何でも食べるから、ナマエさんが手に入れやすい食材で何か作ってくれたら嬉しいよ。ハテノ村で手に入る食材は限られてるし……」
「それなら大丈夫! 最近よくトンプー亭に泊まっていく行商人さんがね、色んな食材を調達してくれるんだ。さすがにヘブラとかゲルドにしか無いような食材だと頻繁には難しいけど、一度、料理のことで話が盛り上がったら、色々融通つけてくれるって話になって。よくお世話になってるんだよね」
「ん……? 俺が準備してる食材だけじゃ足りない?」
「ううん。十分なんだけど、トンプー亭の朝食サービスのための仕入れとか、夕方学級で子供たちやご家族とご飯タイムで交流とか、色々物入りになることがあって。その時に、仕事以外でも必要だったら力になりますよって言ってくれたの」
「ん」
「リンクくんに貰うばっかりじゃなくて、自分で稼いだルピーでリンクくんにお礼したいなぁって思ったんだけど……どうかな? ルピーが足りなかったら料理のお裾分けでもいいよって言ってくれてるから、大抵のものは手に入ると思う」
「んー? 料理のお裾分け?」
「うん。調理鍋に入れるだけなんだけどね。何故か、それでいいんだって」
「ふぅん……」
「……あれ? 何かまずかった? 一応、ここはリンクくんのおうちだから、お裾分けはトンプー亭でってつもりなんだけど……」
「一応聞いておきたいんだけど、その行商人は男?」
「うん」
「……んー……」
「……えーっと……何かダメだった?」
「いや、ダメじゃなくて。あ、そうだ。俺が好きな食べ物、あったよ」
「お! どんなもの?」
「それが……たくさんあり過ぎて絞りきれない」
「リンクくんは健啖家だもんね! いいよ! 出来る限り全部作るよ!」
「ありがとう、ナマエさん。でも、俺が帰ってくる時間も日もバラバラだから、その時の体調や時間に合わせて食べたい物をお願いするかたちでもいい? 食材は俺が用意するから」
「えぇ……でもそれだと自分で稼いだルピーでお礼した事にならないんだけど……」
「料理するだけじゃなくて、ナマエさんはテーブルを整えてくれたり、片付けてくれたり、料理に合わせてお茶を入れてくれたり、色々してくれるでしょ? それが俺は嬉しい」
「うーん……それって当たり前のような……」
「あとは、ナマエさんと一緒に温かい食事をできるのが嬉しい。色々俺のこと気遣ってくれてるの、伝わってるよ。それでもう十分お礼になってる」
「そ、そう? それでいいの?」
「うん。それがいい。その都度食べたい物の材料を渡すから、置いていってる食材は遠慮なく使って。どうしてもルピーを使って俺にお礼したいって言ってくれるなら、一緒に買い物するっていうのはどうかな?」
「……ん。わかった。じゃぁ、そうさせてもらうね。行商人さんにも、食材の調達は問題ないですって話すね」
「あ、それなら俺も一緒に行くよ。ナマエさんがお世話になってるなら、俺も挨拶しておきたいし」
「そう? じゃぁ、今度は明後日に来るって言ってたから、その時に挨拶する?」
「うん。そうする」